生命保険
危険なければ保険なしといわれているように危険(リスク)というのは保険を理解するために不可欠な言葉といえるでしょう。日本語の危険という言葉は、広辞苑によれば「危ないこと。危害または損失の生するおそれのあること」とあります。
保険は危険に対応する保障手段のひとつとされていますが、損害発生の可能性、損害を発生させる状態、偶然事故、保険事故という4つの要素がもたらす結果を危険(リスク)としてとらえています。
損害発生の可能性は起こるか否かは不確定なことですから、損害か起こらないことが確定すれば危険は無いことになります。
損害を発生させる状態とは火災の場合、例えば、木造か鉄筋・鉄骨造りかで燃えやすさ(損害の発生の度合いと規模)に関係してきますね。
偶然事故という場合、人間の死亡は確定的ですが、それがいつなのか?という時間についての偶然性か関係します。
一般的にはこれらの側面か保険可能性の要件と保険会社の給付責任と結びつくと保険事故という扱いになります。
また、上記にくわえて保険においては危険という言葉ひとつとってもさまざまな意味で使用されています。
第一は不良危険、優良危険といってこの場合の危険は保険の目的を意味します。
第二は危険の選択といいこの場合の危険は保険契約を意味します。
第三は危険の開始、この場合の危険は保険会社が支払いの責任をもつことを意味しています。
さらに細かく分類されているのですが危険は事故発生の形態から、純粋危険と投機的危険に分類されています。
純粋危険は自然災害、火災、交通事故、死亡など発生すると必ず損失を発生させることで純粋に損失のみ発生させるため、純粋危険といわれます。
逆に投機的危険は金利変動、為替変動のように発生すると損失を発生させることもある反面利益を生む可能性もあるものを投機的危険といいます
利益発生の有無で分類されているのですが純粋危険は絶対に利益を生むことはありません。
さらに危険というものには静態的危険と動態的危険というものがあります。
静態的危険というのは経済社会の平常な状態において発生する自然災害、火災などをさし、この静態的危険というのは純粋危険に分類されます。
動態的危険は産業構造の変化 技術革新などの経済変化、政情不安や戦争などの政治的要因、あるいは流行の変化など社会の動的変化によって発生する危険を指し、投機的危険に分類されます。
こういったことから投機的危険は損失を発生させる可能性がある反面利益を発生させる可能性もあるため保険においてあらかじめ総損害額を予想することはできません。
こういったことから保険の対象となる危険、または保険可能な危険は発生確率の測定可能な不確実性であり理論上では静態的危険であるとともに純粋危険の性質を持つものてなければならないといえます。
投機的危険およひ動態的危険は保険の対象にはならないのです。